2022/11/02 23:49
不思議なこと 2
R寺を出て少し山を登っていくと、
七福神のうちの一神を祀る由緒あるC院があります。
こちらもR寺から続くわたしのおさんぽコースです。
坂道を10分も登った先にC院の本殿があるのですが、
さらにその本殿の裏には、
まるで隠されたかのように石段が続きます。
その先には、奥の院として
白蛇様を祀った小さなお堂が建っています。
この奥の院は、わたしには何かしらの縁があるようです。
ここは、わたしが子供のころから
たまに遊びに来るようななじみのある場所です。
ですが、わたしがおさんぽコースとして
たびたび来るようになったある日、
(つまり、つい最近です。)
この奥の院の鳥居に、
ある名前が彫られていることに気づきました。
それは、わたしの父方の比較的近しいご先祖様の名前です。
何度か戸籍などで目にした名前なので、
覚えていました。
実はわたしの苗字の漢字には、一部特殊な部分があって、
それもしっかり刻印されていたので、
同名の違う方ではないようです。
鳥居のちょうど目の高さのいい位置に彫られていたので
たぶん、それなりの額の寄進をしたのだろうと思います。
実はわたしの一族は、戦前までは
そこそこの土地持ちだったと聞かされていました。
それが大戦中、このご先祖様の時代に、
子供が多かったので、食うに困って
たくさんあった土地を二束三文で手放していったそうです。
いまでも親戚の間では、
「あの時の土地が残っていれば……」という話を
聞くことがあります。
でも、まあねぇ…。
当時には当時の事情があったでしょうしね…。
わたしは今でも、ここを通るたびに
手を合わせています。
わたしは、この奥のお院のお堂の階段のところに
あるものを見つけてしまいました。
わかりますか。
たぶん、白カビでしょうか、この文様は…。
”水辺から首をもたげた白蛇様”に見えませんか?
お堂のすぐ目に付くところにあるのですが、
いったいどれだけの人が
気づいているでしょうか。
わたしはこれを見つけたときは
体が震える思いでした。
いまでもおさんぽで寄ったときには
欠かさずお参りをするようにしています。